NTTの鵜浦博夫社長は14日までにフジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、国内事業の不振を補うため海外でM&A(企業の合併・買収)を加速し、世界市場での受注拡大を狙う考えを示した。一方、NTTドコモが出資しているインドの携帯電話事業者、タタ・テレサービシズとの合弁事業について「次の行動は慎重に見極める」と述べ、事業環境の厳しさが続いているとの認識を示した。
NTTグループが海外で展開するクラウド事業は「今年に入って大型案件が相次ぎ、北米の受注額は4億5000万ドル(約447億円)に達した」と成果を強調。今後は中堅・中小企業のニーズにも積極的に応えていく方針だ。「事業領域を広げるとともに、奥行きを深め、効率性や技術の進化も取り込む」ため、今後もM&Aによる事業規模の拡大に取り組むとしている。
ドコモは2009年にタタ・テレサービシズに約2670億円を投じて26.5%出資したが、電波再編の遅れや不祥事問題などで赤字経営が続いている。鵜浦社長は「プリペイド端末が主体で携帯会社も多く市場が全然違う。次の行動は慎重に見極めたい。撤退もあり得るが、ぎりぎりまで判断時期を延ばしたい」と述べ、撤退も視野に検討していることを示唆した。