“失態”から信頼回復へ 金融庁、危機感強く 3メガ銀一斉検査 

2013.11.5 21:23

 金融庁が5日、みずほ銀行に対する異例の追加検査に踏み切った。暴力団員らへの融資を放置していた問題を重くみただけではない。事実と異なるみずほの説明を見落とすという監督官庁にあるまじき“失態”に、国会や世論の批判が高まっているためだ。

 昨年12月から今年3月まで行われたみずほに対する検査で、金融庁は直近の資料しか精査せず、みずほの「情報は担当役員止まりだった」との説明をうのみにした。

 金融庁の検査に対する事実と異なる説明が「銀行として一番やってはいけない話」(麻生太郎金融担当相)なのは間違いない。ただ、金融庁が過去の資料を調べていれば、問題融資がみずほ銀行の取締役会に報告されたことも把握でき、みずほの「うそ」を見抜けた可能性が高い。

 金融庁は9月、成長企業への資金供給を後押しするため、銀行検査の方針を転換。検査を厳格化し、「銀行の粗探し」(幹部)をする手法から、各行の自主性を重んじるやり方に改めたが、結果的にそれが裏目に出た。今回の再検査で、問題融資の実態や検査のあり方を検証できなければ、「金融“育成庁”から“処分庁”へ逆戻りしかねない」(同)との危機感は強い。

 国会では金融庁の責任を問う声がくすぶっている。金融庁はみずほを含む大手銀行3グループに法令順守体制を厳しく迫ることで、問題融資の再発防止と自らの信認回復につなげたい考えだ。(小川真由美)

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

実践で使える英会話を習得!業界最高峰の講師がサポートします。毎日話せて月5000円《まずは無料体験へ》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

サンスポ予想王TV

競馬などギャンブルの予想情報を一手にまとめたサイト。充実のレース情報で、勝利馬券をゲットしましょう!