2013.11.4 05:00
部下に要望することができないという声をよく耳にします。価値観の多様化、昔の経験が通用しないといった環境変化が背景の一つにあります。今回は「要望する」能力に着目した調査結果をご紹介します。
調査では、リーダーに必要な対話能力を「(話を)聞く」「質問する」「個別対応」など7項目に分けて測定しました。その結果を「社員のやる気」や「チームワーク」といった組織活性度の「高い組織」のリーダー群と「低い組織」のリーダー群に分けて、それぞれの得点平均値を比較しました。
両者の間で大きな差が出たのが「要望する」や「フォローアップ」の能力であることが分かります。一方で、「聞く」や「話しやすさ」の項目は小差で、しかも組織活性度の低い組織のリーダー群のほうも比較的高得点です。ということから、組織を活性化させるには、部下に要望できるかどうかが一つの要だということが言えそうです。
ここで言う「要望する」能力とは、一方的な指示ではなく、「相手をやる気にさせる要望」などです。具体的には「君だからこそ任せたい」「この仕事を通してこんな成長があるからやってほしい」といった会話を、どれだけ効果的に行えるかということです。こうした対話の有無で組織の活性度は変わるといえます。