来年4月に予定されている消費税率引き上げを前に、アパレル業界が商品戦略に知恵を絞っている。大手各社は、来年3月にアイテム数を例年より多めに準備し、春物商品の前倒し発売などで駆け込み需要に対応。増税後も新規ブランドの投入や販売促進活動を積極展開し、消費者の購買意欲を喚起する。1997年の増税時には、増税後の反動減により売り上げが大幅に落ち込んだだけに、買い控えの抑制に躍起だ。
上向く商品単価
国内外の有名ブランドの路面店が立ち並ぶ東京・銀座。今秋は記録的な残暑が続いたため、10月中旬になってようやくコートやセーターなど冬物商品が店内のメーンゾーンに登場し始めた。だが、今年は昨年までと違って、顧客の財布のひもが緩んでいる。
「10月に入り、7万円以上のウールコートが昨年同月に比べすでに5倍以上売れている」