2013.10.23 05:50
ヤマハ発動機が11月から発売する新型の産業用無人ヘリコプター「フェーザー」=22日、東京都千代田区【拡大】
政府が成長戦略の一環として掲げる「攻めの農業」の実現を好機ととらえる動きが広がってきた。ヤマハ発動機は22日、農薬や種もみの散布などに使う産業用無人ヘリコプターの新型機「フェーザー」を11月初旬から発売すると発表した。価格は1231万6500円で、国内では、年120機の販売を目指す。
15年ぶりの全面改良で、約2割の燃費向上に加え、農薬などを積める量を従来比5割増の24キロとした。新潟県の5.1ヘクタールの水田で散布時間を比較した結果、作業時間は43分と約25%短縮できたという。自動で速度を維持できる機能も付けたことで、落下ミスや散布精度の向上にもつながる。
現在、農業従事者の高齢化に伴い、山間地を中心に耕作せずに放置されたままの放棄地は拡大している。今回の無人ヘリを使えば、政府が目指す放棄地の解消が見込まれるほか、すでに無人ヘリを採用している大規模農家にはさらなる効率化が提案できるという。品種改良が進めば、主に飼料米にとどまる無人ヘリの活用が食用米にも広がる見込みだ。