【挑む】エバーセンス・牧野哲也社長 電子絵本、低価格で作品高品質

2013.10.17 05:00

 子供の健やかな成長と親子のコミュニケーションに欠かせない絵本の読み聞かせを安く手軽に楽しんでもらいたい-。そんな父親としての素朴な愛情からエバーセンスの電子絵本サービス「PIBO(ピーボ)」はスタートした。牧野哲也社長は「新しい親子のコミュニケーションを創造する」と意気込む。

 --どの程度の作品数をそろえているのか

 「9月に128作品からスタートした。このうち108作がオリジナルの新作。20作が惜しまれつつも絶版となったものを復刊させた。毎週3作以上のペースで新作を出しており、年内に200作、来年末には400作をそろえたい」

 --私生活では3歳の娘の父親でもある

 「絵本の読み聞かせは親子が触れ合う最もよい方法の一つだ。そのため電子絵本ではあるが、音声や絵が動くということはなく、昔ながらの作家の手作りの絵本をそのまま電子書籍に落とし込んだ形にしている。子供に向き合う時間を増やすため、親が直接読み聞かせる絵本の良さを残した」

 --読み放題でありながら、月額315円という低価格に設定した

 「他の電子絵本は1作品ごとに課金したり、読み放題でも500円以上はする。これに対してPIBOは、限られた家計の中からできるだけ多くの本を読んでほしいという願いを込め、最低水準の価格とした。しかし、大物作家も含む78人の作家が作品を書き下ろしているので、絵や文章の質は高い」

 --新規参入でありながら多くの作家を獲得している

 「昨年11月から作家に対して直接、営業を行っている。親が子供に読み聞かせるという絵本の本質に迫るコンセプトに作家が共感し、納期を設けないため作家のペースでの創作が可能となったことが大きい。また、表現を豊かにするため、できるだけ規制をしないようにしている点も、作家の共感を得た。収入面では、既存の出版社の印税契約に比べ条件が優れている。作品の閲覧数に応じて会員の会費から分配する仕組みで、作家の生活安定につなげ、創作活動にますます励んでもらうことができる」

 --今後の事業展開は

 「自動車販売店の店舗でも、PIBOを活用できるようにする。保育園でも導入が始まり、プロジェクターで楽しめる。来年中には英語版を開発し海外へも進出する」(佐竹一秀)

                   ◇

【プロフィル】牧野哲也

 まきの・てつや 東大経卒。トヨタ自動車でレクサスの事業開発に携わる。リクルート、広告系ベンチャーを経て、2013年1月エバーセンスを創業、現職。33歳。

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【会社概要】エバーセンス

 ▽本社=東京都中央区日本橋中洲5-1-523

 ▽設立=2013年1月

 ▽資本金=1175万円

 ▽事業内容=電子絵本読み放題サービスPIBOの企画、開発、運営

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