都内ホールが賞品直接買い取り　経営者ら風営法違反容疑で逮捕

　パチンコの賞品を直接店内で買い取り、客に現金を渡したなどとして、警視庁保安課などは風営法違反容疑で東京都文京区関口のパチンコ店「平洋」の経営者ら３人を逮捕した。

　同店では２０１２年７月ごろから、店内に交換所を設けて客から賞品を直接買い取るなどして、月３０万円程度を売り上げていたという。経営者は「賞品を買い戻す金がなかった」「資金繰りに困ってやった」などと容疑を認めている。

　逮捕容疑は今年の６月から７月にかけて、パチンコ玉と交換した金地金賞品を買い取ったり、客が得たメダルを直接店内で換金したりした疑い。

　昨年７月２６日には、東京都遊協の健全化センターが同店への立ち入りを行い、風営法２３条に規定する遊技場営業者の禁止行為を指摘していた。指摘を受けた同店では、即日営業を閉鎖し、その後、都遊協理事長に順法営業を行うことを記載した始末書と改善策を提出していたが、今年７月に警視庁保安課から強制捜索を受け、改善策が履行されていないことが判明。一連の事態を受けた都遊協では、８月２２日に臨時理事会を開催し、同店の除名処分の可否を審議する臨時の総代会を開催することを決議。９月３日に招集した総代会で、出席者の賛成多数で除名処分を可決していた。

　社会的認知が依然低迷する現状で、このような一部不正業者の存在が、遊技産業全体のイメージ悪化をもたらしたり、社会的信用を損なうのは必至。風営法の徹底順守をはじめ、ＣＳＲのコアとして存在するコンプライアンスの意識浸透が望まれる。