トヨタ自動車が本格発売する燃料電池車(FCV)の開発が最終段階に入った。2015年の発売へ量産が目前に迫り、焦点は生産技術でいかにコストを下げるかに移っている。
「小さな化学プラントを載せた車」と形容されるほど複雑なシステムコストは08年に比べ20分の1近くまで下がったが、価格のめどは1000万円を切るレベルにとどまるためだ。20年代前半には年数万台規模の販売を視野に、価格を300万~400万円程度まで下げたい考え。実現へ向け提携先の拡大もありそうだ。
走行性は“プリウス”
8日に東京・晴海で開かれたトヨタの先進技術説明会。外観を隠すための黒いシートで覆われたセダンタイプのFCVの試作車4台を並べ、試乗車として報道陣に初めて公開した。
担当者は「直線で思い切りアクセルを踏んでも問題ない。市販のハイブリッド車(HV)『プリウス』と同じレベルだ」と走行性と安全性について自信を持って説明した。