7月に中核子会社である清涼飲料大手、サントリー食品インターナショナルの株式を公開したサントリーホールディングス(HD)グループが、海外飲料メーカーを対象にしたM&A(企業の合併・買収)を加速している。日本国内の市場が伸び悩むなか、株式公開で調達した資金を武器に国際的に知名度の高い飲料ブランドを買収し、経営規模で勝る欧米のライバルをキャッチアップする戦略だ。激化する国際競争の荒波をかいくぐり、思い通りの買収効果を上げることはできるのか。
強力ブランドに触手
サントリー食品は9月、英製薬大手グラクソ・スミスクラインからスポーツ飲料「ルコゼード」と果汁飲料「ライビーナ」の2つの事業を約13億5000万ポンド(約2100億円)で買収すると発表した。
7月の東京証券取引所1部への上場時に調達した資金約2800億円のうち、有利子負債の返済分などを除いた約2100億円をM&Aなどに使うという計画通りの買収。2020年までに売上高を2兆円に倍増する目標の一環だ。