日本航空が東京証券取引所に再上場してから19日で1年となる。経営再建は軌道に乗りつつあるが、ライバルの全日本空輸を傘下に持つANAホールディングス(HD)は、公的支援を受けて再生した日航が税制面などで優遇され、競争環境で大きな格差があると強調。来年春に拡大が予定されている羽田空港の国際線発着枠の配分でも、両社の主張は対立している。
コスト改善進め躍進
日航の近年の業績は順調だ。2013年3月期の連結最終利益は1716億円と、ANAHD(431億円)の約4倍。直近の13年4~6月期もANAHDが営業・最終赤字だったのに対し、日航は大幅減益ながらも黒字を確保した。
経営破綻を機に社員の意識改革が進んだ上に、部門別採算制度を導入して自力でコスト改善を進めたことが躍進の背景。国土交通省幹部は「1便ごとの収支を管理するなど必要な手が打たれている」と評価する。
これに対してANAHDは、公的支援を受けて再生した日航が競争環境をゆがめていると危機感を募らせる。