SFの世界の「夢の技術」とされてきた自動運転車の実用化が現実味を帯びてきた。日産自動車が8月27日、行き先を設定するだけでドライバーが運転をしなくても目的地までたどり着ける自動運転車の開発を発表。世界の自動車メーカーもこぞって参入を表明し、開発競争は過熱しそうだ。ただ、法律の整備など残された課題も多く、実用化は一筋縄ではいきそうもない。
位置づけ不透明
「(現行の)道路運送車両法は、自動運転は想定していなかった。現制度における位置づけを理解しておいた方がよい」。
先月28日の国土交通省の有識者検討会で、委員の一人はこう述べた。
検討会では、高速道路での運転をIT(情報技術)で側面支援する「オートパイロットシステム」(自動運転システム)実現に向け、2030年代までの計画の中間案がまとめられた。車と道路がコミュニケーションを取りながら自動走行を実現させる案で「世界初となる画期的な内容」(国交省道路局)だが、同時に法整備に課題があることも浮き彫りとなった。