自動車各社がIT(情報技術)を活用して交通事故や渋滞を減らす取り組みを強化している。マツダは3日、東京大学や広島電鉄などと協力し、路面電車と自動車に安全運転を支援する装置を搭載して出合い頭の衝突事故を防ぐ公道実証実験を始めると発表した。路面電車も対象にした実証実験は世界初の試み。トヨタ自動車も渋滞緩和に向けた実証実験を海外で行っており、ITがクルマの安全に果たす役割が高まっている。
マツダなどが来年3月まで広島市内で行う実証実験は、自動車と路面電車の両方に無線機を搭載することで、対向車が路面電車の死角になってみえないケースでも、互いの位置や走る方向などを知らせ衝突を防ぐ。
マツダは実証実験向けに、昨年全面改良した主力車「アテンザ」を改造。もともとミリ波レーダーやカメラなど複数の検知装置を組み合わせ、事故のリスクを最小限に抑える先進安全技術を採用しているが、さらにレーダーやカメラの数を増やし、精度を上げた。