■ブランド価値で眼鏡ネット販売
アイウェアをオンラインで提供するWarby Parker(ワービー・パーカー)のビジネスモデルはユニークでおもしろい。
サイト上で眼鏡が1本売れるたびに、貧しい人に無料で眼鏡を提供する。とはいえ、ワービー・パーカーはただのソーシャルビジネスでもない。プラダやグッチといった高級ブランドに引けを取らない洗練された眼鏡を市場価格のほぼ半値で販売するEコマース企業だ。
4000万ドル(約39億円)超を調達し、評価額10億ドルを上回るワービー・パーカーに今、熱い視線が注がれている。創業者は、ペンシルベニア大学ウォートン校のMBAを2010年に修了した学生4人。学内のベンチャー創造プログラムから生まれたこのスタートアップは、創業から間もなくファッション誌ヴォーグに掲載されたことでメディアの注目を一気に集めた。著名なVCだけでなく、ファッションブランドJクルーの最高経営責任者(CEO)やアメリカンエクスプレスも投資家としてその名を連ねる。
◆名前を聞けば響き
同社がインターネットで眼鏡を販売する従来のネットショップと異なるのは、彼らが単なる眼鏡ではなく、魅力的なライフスタイルを提案しているところにある。ワービー・パーカーは最初から「ブランド」になることを目指していた。匿名のEコマースサイトではなく、名前を聞けば何か特別なものを代表する響きがある、そんなブランドである。創業から3年を経て、ワービー・パーカーは独自の暮らしや生き方にぴたりとはまる製品を生み出そうと、挑戦を続けている。