暑さが増してくる8月に入り、流通各社が来春の入学児向けのランドセル売り場を展開している。季節外れのようだが、主力の購入者が両親から購買力の高い祖父母に移った近年、三世代がそろうお盆は重要な“かき入れ時”。早期に購入するケースが多い祖父母ほど高単価の商品に手を伸ばす傾向も強く、各社は売り場や商品に磨きをかけ、商機を逃すまいと躍起になっている。
夏休みの親子連れでにぎわう伊勢丹新宿本店(東京都新宿区)。昨年より約1カ月半も早く設置されたランドセルコーナーには、品定めする来店客の姿が絶えない。来春の入学式まで半年以上もあるが、売り場設置から1カ月の実績は前年比で約4倍だ。
「いい商品を早めに買いたいという祖父母が増え、販売を牽引(けんいん)している」と同店の担当者。売れ筋は有名ブランドの「オロビアンコ」や「コキチカ」などと共同開発した限定モデルで、6万円を超える価格にもかかわらず、既に半数以上が売れたモデルも出た。