それでも、JAFの会員が今も増加しているのは、年会費の安さにある。
損保各社のロードサービスは、あくまで自動車保険に上乗せされる付加サービスのため、すべての保険契約者にロードサービスを受けてもらおうとすれば、保険料は全体的に割高になってしまう。
ロードサービスを「特約」にしている損保会社もあるが、サービス内容を充実させるほど、特約料金がJAFの年会費を上回ってしまうことも。その結果、自動車保険を必要最低限にとどめ、JAFを選択する人もいるとみられる。
JAFには全国の宿泊施設や飲食店の割引優待があるのも魅力で、「損保各社のロードサービスはライバルではない」(JAF)と自信満々だ。
ただ、損保各社のロードサービスは、トラブル時の宿泊費や帰宅に掛かる交通費も補償するなど、周辺費用のサポートまで手がけるようになっている。
現在は、「共存共栄の関係」を保っているJAFと損保業界だが、市場の縮小が進み、損保各社がさらにロードサービスを充実させれば、JAFの存在を脅かすようになるかもしれない。(中山玲子)