使用すると肌がまだらに白くなる被害の発生に伴い主力の美白化粧品を自主回収している問題で、カネボウ化粧品の経営への影響が拡大してきた。大手百貨店などで同社の商品の売り上げが大幅に減少。24日には、前日に2250人の利用者から重い症状の申し出があったことが判明したことなどを受け、親会社の花王の株価が前日比215円安の3230円と急落して取引を終えるなど、市場も先行きへの懸念を強めている。
カネボウのブランドイメージ低下は、商品販売にはっきりと表れ始めている。都内のある大手百貨店では自主回収発表以降、カネボウ化粧品の商品の売り上げが前年同期比で約2割も落ち込んでいるという。
「百貨店は安心や安全を求めるお客さまがもともと多く敏感に反応している」(大手百貨店)ほか、「ドラッグストアや総合スーパー、専門店でも売り上げが減るマイナス影響が出ている」(カネボウ化粧品)といい、美白成分の被害で消費者の“カネボウ離れ”が広がってきた。
重い症状の被害者が2千人を超えることで医療費や医療機関までの交通費、慰謝料など直接的な被害補償額の負担も経営に重くのしかかる。
今後、被害の申告者はさらに増える可能性もあるほか、百貨店では、消費者のカネボウ離れに伴い競合メーカーの資生堂やコーセーがシェアを奪っているもようで、経営へのダメージは長引くこともみこまれる。