神戸市内で26日開かれた川崎重工業の定時株主総会では、三井造船との経営統合の交渉白紙化と前社長ら取締役3人の電撃解任について質問が集中した。多くの株主が口にしたのは、意外にも交渉白紙化に対する好評価だった。株主の関心は“クーデター”そのものよりも、川崎重工が単独で生き残れるか、成長戦略をどう描くのかという点に移ったようだ。
「交渉白紙化は良い判断」
「私も三井造船との統合にメリットはないと思っていた」
「交渉白紙化で株価は上がった。良い判断だった」
質問に立った株主からは村山滋社長ら新経営陣の行動を評価する声が上がった。実際これまで、両社の経営統合が実現した場合、三井造船にはメリットがあるとみられてきた。
3人の暴走に危機感 憎しみに満ちた表情で本音
13日に就任したばかりの村山社長は冒頭、「(解任された)3人は経営の中枢を担う者として不適格と判断した」と前社長らを断罪。そのうえで「ご心配、ご迷惑をかけた」と陳謝した。3氏はこの日の総会を欠席した。