直流の超電導送電では世界一の送電距離となる超電導ケーブルの実証実験を、住友電気工業やさくらインターネットなど4社が来年度から北海道石狩市で行う。実用化に向けた課題を探り技術開発を進める。電気抵抗がほぼゼロになる超電導技術を使えば、送電時の損失が抑えられ、省エネやコスト削減が可能となる。
実証実験には両社と中部大学、千代田化工建設が参加。経済産業省の受託事業で、平成25年度中にケーブルの設置などの建設工事に着手する。
さくらインターネットが石狩市に持つデータセンターに、2本の超電導ケーブルをつなぎ送電する。液体窒素で極低温に保つ必要があり、長距離の場合、ケーブルの冷却による断線や、液体窒素の循環などの技術的な課題があるという。
太陽光発電所と変電所の2カ所から送電される電力を実際に使用する。まず約500メートルのケーブルで、新たに設置する太陽光発電所と結び、その後、電力会社の変電所までの間を約2キロのケーブルで結ぶ。