2013.6.4 07:00
三菱商事は3日、ブラジルの穀物集荷大手セアグロ社を子会社化することで合意したと発表した。出資比率を現状の20%から80%に引き上げる。融資を含め500億円を投じ、大豆など穀物の集荷機能を強化、穀物の安定調達力を高める。
独立系のセアグロ社はブラジルのなかでも生産余力のある中部・北部の集荷網に強みをもっており、三菱商事は輸出設備への投資も検討している。
セアグロ社への出資比率引き上げは、アジアなど穀物需要の増加に対応するのが狙いで、この消費地対策として年間の穀物取扱量を早期に現在の約2倍弱の2000万トンに引き上げる。日本向けの安定調達にもつなげる。
消費地対策では、すでに中国最大の穀物商社コフコと、大豆の長期購入計画をもつほか、共同で食肉加工などに参画するなど原料調達から加工販売までの一貫体制を築く。
これに加え、4月には食の西洋化で世界有数の小麦輸入国に成長するインドネシアの製粉大手スリボガ・フラワー・ミル社への資本参加も決め、急増するアジア市場の取り込みを急ぐ。
大手商社では、丸紅が米第3位のガビロンの買収手続きを進めている。三井物産もブラジルの農業生産法人を子会社し、ロシア穀物商社に出資するなど食糧事業を強化している。