AIG、日本市場に攻勢 差別化路線で「第4極」 (1/5ページ)

2013.5.14 08:00

 損害保険事業を中心に世界130以上の国と地域で展開する米保険大手のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が、日本市場に攻勢をかける。昨年末までに米国政府による公的支援から脱却したことを機に従来の守りの姿勢を転換する。AIGが焦点を当てる日本の損保市場は再編が一巡し、「3メガ損保」と呼ばれる大手3グループの寡占が鮮明になっており、規模を追うよりも差別化路線を歩むことで「第4極」としての存在感を高める。

 持ち株会社に集約

 「AIGの損保事業では、世界全体の収入保険料の約4分の1を日本が占め、本拠の米国に次いで大きい。日本がとても重要なマーケットであるのは確かだ」。AIGの日本事業を統括しているAIGジャパン・ホールディングスのロバート・ノディン社長兼CEO(最高経営責任者)は言葉に力を込める。

 日本での存在感を高めるための布石の一つが、来春にかけて実施する大がかりな組織再編。日本事業を統括するAIGジャパン・ホールディングスが今年4月に保険持ち株会社に移行したことを受け、その傘下にAIGグループの保険会社である富士火災海上保険やAIU損害保険などを移管。来年4月には、現在は米国本社の支社扱いとなっているアメリカンホーム保険会社を日本法人に格上げし、持ち株会社の傘下に収める方針を固めている。

「意思決定をよりスピード感をもって行えるようになる」

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