最後の同潤会アパート解体へ 6月の工事前に公開

2013.5.9 07:00

解体前に公開された「上野下アパート」2号館=8日午前、東京・東上野(栗橋隆悦撮影)

解体前に公開された「上野下アパート」2号館=8日午前、東京・東上野(栗橋隆悦撮影)【拡大】

 1923(大正12)年の関東大震災の復興事業で建設され、近代的な集合住宅の先駆けとされる「同潤会アパート」で唯一現存する「上野下アパート」(東京都台東区)が8日、6月の解体を前に報道陣に公開された。跡地は、三菱地所レジデンスなどで構成する建替組合が、2015年夏に完成予定の14階建て分譲マンション(128戸)として再開発する。

 同潤会アパートは義援金などを元手に被災地の東京や横浜で計16棟が建設され、多くが太平洋戦争で焼けた。残った物件も青山アパート(東京都渋谷区)が複合施設「表参道ヒルズ」に再開発されるなど、老朽化を理由に順次解体されている。1929年(昭和4)年建築の上野下アパート(計71戸)も外壁にひび割れがあるなど、設備の老朽化で建て替えが決まったという。

 建替組合の森瀬光毅理事長は「思い出がたくさんあるが、84年間の役割を終えたのだろう」と名残惜しそうに話した。

 新しいマンションには、現在の耐震基準を満たし、備蓄倉庫など防災対策を充実させる。上野下アパートの居住者65人のうち、55人が建て替え後のマンションに入居する予定という。

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