東芝が8日発表した2013年3月期の連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前期比4.1%減の1943億円だった。1月時点の会社予想を657億円下回った。液晶テレビとパソコンが販売不振と円安に伴うコスト増で採算が悪化したことが響いた。デジタルカメラの記録媒体などに使われる半導体が市況好転により増益だったが、収益源の社会インフラ部門では、国内の原子力発電所の再稼働の遅れなどで収益が想定を下回った。
為替差損益が改善したため、最終利益は10.7%増の775億円だったが、会社計画を325億円下回った。
売上高は4.9%減の5兆8002億円。テレビとパソコンの国内市場縮小で、販売台数が大幅に落ち込んだ。液晶パネル事業を譲渡したことも影響した。
テレビとパソコンは部材を海外調達し完成品の多くを国内で販売するため、円安がマイナスに働いた。テレビは通期で500億円程度の営業赤字に陥り、円安が加速した今年1~3月期はパソコン事業も赤字に転落した。
ただ、主力の国内工場から輸出している半導体は円安のプラス効果と市況の好転で増益を確保した。14年3月期は、営業利益が33.8%増の2600億円、最終利益は29.0%増の1000億円を見込む。