農業機械大手のヤンマーは4月に3人の著名クリエーターを起用し、ブランド向上に本腰を入れた。
ブランド戦略の総合プロデューサーはアートディレクターの佐藤可士和氏。農業機械や船舶など製品のデザインにかかわるのは高級スポーツカー・フェラーリを手がけた奥山清行氏。さらにファッションデザイナーの滝沢直己氏が加わる。各界クリエーターとの協業で、あらゆる面から「かっこいい」ヤンマーを目指すというが、作戦の成否はいかに。
農機具以外が知られていない
「いまだに『農機具メーカーのヤンマー』と紹介される。本当は建設機械、船舶など、いろいろやっているけれど、あまり知られていないんです」
あるヤンマー社員はそう悩みを打ち明ける。たしかに、ヤンマーで思いつくのは同社オリジナルキャラクター「ヤン坊マー坊」や、いわゆる赤トラ(赤いトラクター)。それ以外のイメージはなかなか浮かばない。