■肌に良い成分だけオールインワン
≪STORY≫
化粧水に乳液に美容液…。スキンケアだけでも世の中にはそれぞれ用途が異なる数多くの化粧品がある。これらをひとつにした「オールインワン化粧品」が、忙しい働く女性などの朝の化粧時間を短縮できる効果も注目され、人気が高まっている。この分野のパイオニア的存在で、発売15周年を迎えるロングセラーとなっているのがドクターシーラボの「アクアコラーゲンゲル」だ。
◇
「最初にできたゲル(ジェル)は、とても肌につけるようなものではなかった」
同社マーケティング部商品企画グループ長の市原澄子さん(41)は、開発初期の秘話を明かす。
アクアコラーゲンゲルを開発したのは現在も皮膚科クリニックで診療を続ける同社の城野親徳会長だ。クリニックを訪れる患者に、「スキンケアをしっかりしてください」と勧めていたのに、再び肌のバランスを崩して来院する人が多かった。これが気になり、理想とするスキンケア化粧品を自ら提供したいとの思いが募ったという。
城野会長がクリニックにゲル開発のための事業部を起こし、狭い部屋に閉じ籠もって、現在の石原智美社長らと3人で始めた開発は、1998年の最初の製品発売まで約1年間、試行錯誤の連続だった。