マツダが、2013年3月期に最終損益で5年ぶりの黒字転換を果たす。
08年秋のリーマン・ショック後、超円高による採算悪化に加え、米フォード・モーターとの事実上の資本提携解消で存亡の岐路に直面した同社。相次ぐ経営課題をはね返す原動力となったのが、独自の低燃費化技術「スカイアクティブ」を全面的に採用し、昨年2月に発売したスポーツ用多目的車(SUV)「CX-5」のヒットだ。中でもディーゼルエンジン車の販売が好調で、ハイブリッド車(HV)一辺倒だった国内の環境車市場に新風を吹き込んだ。
「6年間描いてきた戦略は間違っていなかった」
同社の山内孝会長兼社長は、06年から開発を進めてきたスカイアクティブの手応えをこうかみしめる。
8割ディーゼル車
スカイアクティブはマツダ独自の低燃費化技術の総称。エンジンや変速機の工夫、車体軽量化など多様な技術がある。CX-5は、それらを総動員した。