シャープと台湾・鴻海精密工業が共同運営する大型液晶パネルの製造会社、堺ディスプレイプロダクト(SDP、堺市)が、平成24年12月期決算で74億円の最終赤字を計上したことが15日分かった。21年4月の設立以来、赤字転落は初めて。売上高が原価を下回る苦しい収支状況だった。
決算期を3月期から変更したため24年4月から12月までの9カ月の実績。15日の官報に掲載した決算公告によると、売上高1086億円に対し製品の製造にかかった原価は1105億円で、19億円の“原価割れ”が発生した。
シャープ関係者によると、同社と鴻海向けの売価は市場価格を基準としているが「採算を度外視して受注確保を優先した結果ではないか」(東京商工リサーチ関西支社)とみられる。
営業赤字は33億円、最終赤字は74億円だった。SDPは鴻海グループから出資を受けて昨年8月から共同運営に移行。シャープと鴻海側の出資比率はそれぞれ37・61%となり、SDPはシャープの連結対象から外れている。
SDPは赤字が共同運営以前に発生したものか、移行後も赤字が続いたのかは明らかにしていない。