日本製紙は8日、同社八代工場(熊本県八代市)で、九州地区の間伐材を利用した木質バイオマス発電設備を新設すると発表した。
投資額は30億円強。出力は5000キロワットで、フル稼働による年間発電量は、約4000万キロワット時に達する。2015年3月に発電を開始し、九州電力に売電する予定だ。
同事業では、九州地区の間伐材のうち、未利用のものを100%使用する。同社子会社で、木材の輸入や売買、グループ保有の森林管理事業を手がける日本製紙木材などの集荷ネットワークを利用し、間伐材を集める。未利用材だけを集めたバイオマス発電事業は、全国初となるという。
未利用の間伐材は建築廃材などに比べて回収コストが高くなるが、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」(FIT)を利用すると、間伐材など由来の木質バイオマスによる電力は1キロワット当たり33.6円で買い取られるため、日本製紙では事業化が可能と判断。売電により、年間で13億円以上の売り上げとなる計算だ。