トルコが黒海沿岸で計画している原子力発電所の建設を、三菱重工業と仏原子力大手アレバの企業連合が受注する方向になったことが4日、分かった。日本と韓国、中国、カナダの4カ国が争っていたが、受注が決まれば2011年3月の東京電力福島第1原発事故後、初の原発輸出となる。官民一体による海外での受注を目指す原発ビジネスの拡大に向け、弾みがつきそうだ。
日本側とトルコ政府が同日までに、三菱・アレバ連合が原発を建設することで大筋合意したとみられる。優先交渉権の獲得を意味する政府間合意に向け、最終協議を進めているもようだ。4月下旬から5月上旬の大型連休中には、安倍晋三首相のトルコ訪問も検討されている。
経済成長を背景に、原発を持たないトルコは23年までに3カ所での建設を計画。1カ所目の地中海沿岸の原発はロシア企業が既に受注している。2カ所目となるシノップの原発は4基で、総事業費は220億ドル(約2兆円)規模になる見込み。