郊外の大型ショッピングセンター(SC)を展開することで業績を伸ばしてきたイオンがダイエーを子会社化した。少子高齢化などで人口の都市回帰が進む中、手薄だった首都圏の営業基盤を強化することで、「全方位型」の流通グループへの歩みを加速させる狙いがある。
「短期間でシナジー効果が出せるのでは」。イオンの岡田元也社長はダイエー子会社化に向けた意欲を語った。
ダイエーは経営再建の過程で不採算店を閉鎖しており、関東や関西の都市部には収益性の高い店舗が多い。このため「大都市への事業シフトに貢献する」(岡田社長)と期待を寄せる。
もともとイオンは、郊外に総合スーパーやSCを展開することで業績を拡大してきた。特にモール型を中心とする大型SCは全国で約120施設を展開、SC事業は営業利益の約22%をたたき出す。今後もSC事業を収益の柱として位置づけ、来年までにはさらに20を超えるSC新設を計画する。
その一方で、消費の潮流も大きく変化する。総務省によると、2010年までの5年間で、人口増加率の高さは東京(4.6%)、神奈川(2.9%)、千葉(2.6%)の首都圏が1~3位となるなど都市回帰が進む。行動範囲の狭い高齢者や駅周辺に住む単身世帯が増えており、SC頼みのビジネスモデルでは消費のボリュームゾーンを取りこぼしかねない懸念が出ていた。