コンビニエンスストア3位のファミリーマートが、店頭端末を使った音楽コンサートなどのチケット販売強化に乗り出した。映像配信やグッズ販売などを手がける会社を子会社化し、3年後のチケット販売は現在の2.5倍の1000億円を目指す。チケット販売による利益は薄いが、「ついで買い」につながる集客効果を狙う。これが成果を上げて店舗売上高の拡大に成功すれば、業界2位争いが過熱する可能性もありそうだ。
店舗スペースに限界
「ついでにお菓子も買おうかな」。東京都豊島区内のファミマ店内で、コピー機の横に置かれた情報端末「ファミポート」を操作していた女性会社員(25)はつぶやいた。人気音楽グループのコンサートチケットを購入しにきたが、陳列棚を目にするうちに、ふと甘い物を食べたくなったという。彼女はプリンを手にレジへ向かった。
食料品から雑貨まで多彩な商品が並ぶコンビニだが、「商品数は2600前後が上限」(業界関係者)とされる。各社ともニーズをとらえた商品の入れ替えを繰り返すほか、店内調理などで売り上げ増を目指すが、店舗スペースは限られる。