【直球緩球】インフラに商機、売上高5兆円目指す 三菱重工業次期社長・宮永俊一氏

2013.3.14 22:13

 --4月1日付で社長就任が決まり、売上高(平成25年3月期は3兆円の見込み)を5兆円に引き上げる目標を掲げた

 「5兆円になれば規模のメリットが出せる。世界のGDP(国内総生産)は増加しており、新興国の人口は増える。社会インフラ事業をやっている企業にはチャンスで、発電プラントのシェアを拡大したい。産業機械分野でのM&A(企業の合併・買収)も考えたい」

 --新型天然ガス「シェールガス」の普及が進む

 「天然ガスの発電が増え、アメリカなど先進国でもガスタービンの需要が出てくる。ガス価格が下がれば、肥料やエチレンをつくる化学プラントも増える。高性能・高効率のプラントの受注を伸ばしたい」

 --日立製作所と火力発電事業を統合し、来年1月をめどに合弁会社を設立する

 「ガスタービンの品ぞろえがフルラインアップになり、商品面の競争力が高まる。得意な地域も日立が欧州や南アフリカ、われわれは東南アジアで、補完関係がある」

 --日立との新しい協力関係の可能性は

 「新興国では、地下鉄や空港周辺の交通システムなどを一括して持ってきてほしいというケースが多い。日立は車両、われわれはシステムのとりまとめが得意なので、一緒にやる価値があると思う。原子力発電事業は三菱重工が仏アレバ、日立は米ゼネラル・エレクトリックと、お互いにパートナーが違うので難しい」

 --航空・宇宙事業の強化を掲げ、小型ジェット旅客機「MRJ」は年内の試験飛行を予定する

 「世界の経済成長で航空機需要が高まり、燃費のいい飛行機が必要になる。安全な飛行機を作り、性能を発揮することが大事だ」(田村龍彦)

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