三菱重工業の次期社長に内定している宮永俊一副社長は6日、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、日立製作所と火力発電事業を統合して設立する合弁会社について1兆5000億~2兆円の売上高を目指す考えを明らかにした。現在、両社の火力発電事業を合算した売上高は1兆1000億円だが、統合による相乗効果を見込んでいる。
宮永氏は、統合でガスタービンの品ぞろえが豊富になり、海外進出でも補完関係があるとしたうえで、「(発電メーカー世界2位の)独シーメンスの事業規模が1兆5000億~2兆円ぐらいなので、それには追いつきたい」と説明。営業拠点や管理部門の集約などで、効率化も進める方針を示した。
三菱重工は12年度に3兆円を見込む連結売上高を将来的に5兆円にする目標を掲げている。
宮永氏は、重点分野として発電事業に加え、「MRJ(三菱リージョナルジェット)」など民間航空機と、肥料製造など化学プラント事業を挙げ、「経営資源を集中的に投入し、売上高を増やしていく」と強調。さらに、産業機械分野でのM&A(企業の合併・買収)についても前向きな姿勢を示した。