古河電気工業は4日、据え置き型オーディオ関連機器向けなどの高純度銅線の販売を年内で終了する、と発表した。ステレオやコンポなどで音楽を楽しむ時代から携帯音楽プレーヤーが隆盛となり、音楽シーンのあり方の変化で需要が減少した。
販売を中止するのは「PCOCC」と呼ぶ商品名で1986年に製品化。極めて純度の高い無酸素銅を用いることで、良質な音を再現するオーディオ用ケーブルなどに使われてきた。今月いっぱいで受注を終了し、8月末で生産を終了する。
2004~05年にかけて生産の最盛期を迎えたが、近年では市場が10分の1程度まで縮小。09年ごろから生産・販売中止について検討を続けていた。
同社は「エンターテインメントの多様化が進み、音楽の聴き方でも携帯用の音楽機器が流行し、高級オーディオ志向の利用者が減少した」と説明している。
生産終了前の駆け込み受注が増えることも想定し、受注量が供給能力を超える場合は個別に対応する。