【若手記者が行く】
「韓国メーカーに負けていない」。今年1月に、米ラスベガスで開かれた世界最大規模の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」。世界に先駆けてフルハイビジョンの約4倍の解像度を持つ「4K」に対応する有機EL(エレクトロルミネッセンス)テレビを発表したパナソニックの津賀一宏社長は自信たっぷりに言い放った。
昨年のCESは日本メーカーの技術の出遅れが目立ったが、わずか1年で日本勢が抜き返した印象だった。食うか食われるか-。しのぎを削り合う機械メーカーの勢力図が“変貌”する姿を目のあたりにした思いだった。
進化した日本メーカーの逆襲
「この会社は、本当にあのパナソニックなのか?」。昨年に引き続き、今年のCESの会場に訪れたある企業関係者の米国男性は、同社の展示ブースを見ながら何度もつぶやいていた。
昨年のCESでは、韓国サムスン電子などが有機ELテレビの試作品を相次いで発表。パナソニックの大坪文雄前社長は圧倒され、「パナソニックも有機ELテレビに参入する」と後追いの宣言をするしかなかった。