電気自動車(EV)の2030年の世界市場規模が、307万台にとどまるとの見通しを民間調査会社の富士経済が立てていることが、4日までに分かった。昨年の調査では1300万台を超えるとしていたが、昨年予測に比べ77.7%減と大幅に下方修正した。充電設備などインフラ整備がなかなか進まないことが要因としている。
同社は昨年の前回調査では、30年時点のEV市場は1373万台とし、25年をピークに減少に転じるハイブリッド車(HV)の市場規模1186万台を上回ると予測していた。だが、今回の30年時点の予測では、HVは863万台と従来予想に比べ324万台減少するものの、需要は伸び続けると判断。HVが次世代環境車としての主役の座を維持するとみている。
EV予測を下方修正したことについて、富士経済では「充電設備の整備などの課題がみえてきた中で、現実を踏まえた慎重な予測に切り替えた」としている。