【直球緩球】豊田通商・加留部淳社長　仏商社買収でアフリカ進出

　－－アフリカに強い仏商社セーファーオー（ＣＦＡＯ）を約２４２０億円で買収した

　「長期的にみて人口が増えるアフリカに商機がある。米州、欧州、中国、アジアに次ぐ市場に育てたい。ＣＦＡＯはセネガルなど西・北アフリカに強く、手を組むことでアフリカ５４カ国中４８カ国をカバーできる。自動車販売に加え、医薬品卸販売や生活関連も展開する」

　－－アルジェリア人質事件では改めてリスク管理の重要性が浮き彫りになった

　「再度海外の従業員の安全対策について確認し、リスク管理に最優先課題で取り組む。アフリカは今後も成長が期待できる地域で、戦略に変更はない」

　－－ケニア政府と包括的な覚書を締結した

　「ケニアなど５カ国は東アフリカ共同体による地域統合を進めている。ケニア政府からは国の長期計画作りに参画してほしいと要請があった。究極の貢献は人づくりの支援だが、同時にビジネスにもつなげたい。東芝と共同で受注した地熱発電プラントに続き、風力発電も検討する」

　－－長期経営計画で自動車以外も強化する方針だ

　「過去の投資は自動車が約７割だったが、平成２３年度から２カ年の投資計画では７割超の１９００億円を自動車以外に投資し、生活・食料や環境・エネルギー分野などを強化したい。ケニアでのエネルギー事業、インドやベトナムに続くレアアース（希土類）事業にも取り組む」（上原すみ子）