家庭用ゲーム機やソフトのメーカーが異業種と連携(コラボレーション)してビジネスを展開する取り組みが加速している。
任天堂が新型ゲーム機で吉本興業の動画を配信する方針のほか、カプコンが人気ゲームソフト「バイオハザード」の世界を再現したカフェを展開するなど、ゲームを“リアルの世界”につなげる取り組みは多種多様だ。ソーシャルゲームに押され低迷する家庭用ゲーム業界にとって、既存とは異なる顧客層開拓という効果を生み出しているものの、業界関係者からは本業での開発が遅れる“危機”が指摘されている。
飲食、劇場など異色のコラボ
「もはや、ゲームを作って販売する単純な仕事だけでは、ソーシャルゲームに打ち勝てない」。ある家庭用ゲーム機の関係者は、そう打ち明ける。
カプコンは昨年7月、外食産業と組んで、東京都渋谷区に「バイオハザード」をモチーフにしたカフェをオープン。ゲームのキャラクターの等身大オブジェを展示したり、ゲームをイメージした映像が店内に流れ、世界観を味わえる。