安倍晋三政権誕生以来の円安基調により、2013年3月期の業績見通しを上方修正する企業が相次いでいる。自動車ではダイハツ工業、日野自動車、電機ではリコーなどが13年3月期で増収増益を見込み、売上高、利益とも過去最高を見込むところも出ている。
1ドル=90円台などとなり、輸出企業を中心に国際競争力を取り戻しつつあるためだ。一方、ホンダは為替予約の時価評価損が発生するなど円安のマイナス面も浮上している。
「想定よりも為替が(円安に)上振れしたことが大きい」
ダイハツの入江誠上級執行役員は31日の決算会見で、13年3月期通期の業績見通しが売上高、利益とも過去最高となる理由をこう述べた。同社は昨年、政府が実施したエコカー補助金の恩恵などで、従来から過去最高の利益を見込んでいたが、これに加え販売が好調なインドネシアなどでの円換算の売り上げが増えたことが追い風となり、売上高も上方修正した。