トヨタはシェアを31.5%に伸ばし、ホンダも11年の5位から2位に躍進した。日産は、軽を得意とするダイハツ工業、スズキの後塵(こうじん)も拝した。
軽の販売では「OEM(相手先ブランドによる生産)調達先のスズキが思うように供給してくれなかった」との恨み節も漏れるが、日産が頭を悩ませるのは、既存の登録車も低迷していることだ。
その例は販売第一線にも表れている。都内のある販売店には稼ぎ頭だった小型車「マーチ」の試乗車はおろか、展示車すらない状況。女性販売員は「前のモデルは女性寄りのデザインで男性の受けが悪く、2年前の全面改良でデザインを大幅に変更した。それでも前モデルの方が売れた」とため息をつく。
マーチは10年からタイ生産を始めた4代目モデルが振るわず、昨年8月以降は月間4000台を大きく下回る状態が続く。
自動車アナリストは「マーチは日本だけでなく、海外でも売れていない。次期モデルではプラットホーム(車台)を変える可能性がある」と指摘。前モデルの全面改良は約8年ぶりだったが、次期モデルの全面改良時期が早まる可能性が高い。