テレビの販売不振を背景に、電機各社はフルハイビジョン(HD)の約4倍の解像度をもつ「4K」や有機EL(エレクトロルミネッセンス)などの新技術を駆使し、高精細な大型テレビの市場投入を急いでいる。価格も安定しているためで、ソニーや東芝は、高級大型テレビの構成比を高めて、収益改善を図る。
一方、シャープやパナソニックは、売れ筋の中小型の構成比が上昇しており、大型テレビをめぐるシェアで変動が起きている。ただ、4Kなど高精細大型テレビの顧客獲得競争はこれから本番を迎える。生き残りを懸けた電機各社の戦略が問われる。
品ぞろえ拡充
米ネバダ州ラスベガスで開かれた国際家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」開幕を翌日に控えた今月7日(現地時間)。世界中から十数万人の参加が見込まれるとあって、各社は競うように最新技術を披露した。
ソニーは、4Kに対応した56型有機ELテレビを公開した。ところが舞台袖から登場した試作機の画面は真っ青で、本来流すはずの画面に切り替わらなくなるトラブルに見舞われた。