日産自動車は17日、電気自動車(EV)「リーフ」を4月から約28万円値下げすると発表した。国の補助金78万円を受けた場合の実質購入価格は最低で約221万3000円となる。日産は昨年11月にも廉価モデルを設け、40万円以上の大幅な値下げを行ったが、販売の大きな伸びにつながらず、低価格化を一層進めてEVの販売てこ入れを図る。
廉価モデルを含む全モデルを値下げする。11月の国内販売は1312台、12月は870台と想定よりも少なく、もう一段の値下げが必要だと判断した。一部改良後から3月末までにリーフを購入した顧客に対しては差額分のクーポンを提供し、不公平が生じないようにする。
会見した片桐隆夫副社長は「一部改良後、お客さまの反応はよかったが、普及を加速させるにはさらに求め安い価格が必要だ。リーフを本気で拡販したい」と値下げの意図を説明した。
リーフは2010年12月に発売し、昨年12月末までの世界累計販売は約5万台、そのうち国内販売は約2万1000台と伸び悩んでいる。
国内では三菱自動車も軽自動車のEVを一般販売しているが、トヨタ自動車やホンダはリースや限定販売にとどまり、「ライバルがいないと市場が活性化しない」(日産幹部)という声もある。