新日鉄住金エンジニアリングが世界最高水準の省エネプロセスを用いた二酸化炭素(CO2)回収プラント「ESCAP」を新たに開発した。
CO2回収率90%以上を維持しつつ、従来と比べて熱エネルギー消費量を6割以下に削減、回収コストも4割以上低減できるのが大きな特徴。製鉄所や火力発電所、化学メーカーなどをターゲットに売り込みを図り、今後5年間で国内200億円、海外200億円の計400億円の受注を目指している。
ESCAPは日本鉄鋼連盟や新日鉄住金などの鉄鋼メーカーが現在、独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)の委託事業として共同で進めている製鉄所から出るCO2の大幅な削減を目指すプロジェクト「COURSE(コース)50」から生まれた新技術を応用して商品化された。
ESCAPで用いる化学吸収法は、アルカリ性の反応液(化学吸収液)にCO2を吸収させ、吸収液を加熱することでCO2を分離・回収する仕組みだが、従来法ではその加熱に多大なエネルギーを使用することから、回収コストが高くなるなどの課題があった。