ソニーは1989年に34億ドルでコロンビア映画を買収しハリウッドに進出。今や映画は音楽や金融などと並ぶ高収益部門だ。平成24年3月期はテレビなどのデジタル家電が2032億円の営業赤字に対し、映画は341億円の営業黒字だった。
25年3月期は部門別の利益予想を公表していないものの、テレビの価格下落などで主力の電機部門は「黒字化が厳しい」(加藤優最高財務責任者)。このため、エンタメが業績を下支えする状況に変わりない。
興行は当たり外れの大きなビジネス。今期は公開スケジュールの遅れなどで、昨年8月時点の想定から減収を見込む。映画などの本業以外の事業が順調なうちに、電機部門を立て直せなければ、ソニー復活は遠い。