コニカミノルタホールディングス(HD)は5日、新規事業として計画していた太陽電池事業への参入を断念したことを明らかにした。
中国メーカーの安値攻勢で、国内参入メーカーの採算が悪化しており、事業の将来性に乏しいと判断した。すでに、新規の開発投資を凍結、今後は多角化事業として期待する有機EL(エレクトロルミネッセンス)照明の開発に資源を集中配分する方針だ。
コニカミノルタは、主力の事務機器の国内市場が伸び悩むなか、光学部品や写真フィルム技術を応用した新規事業として、平成22年頃から、太陽電池への参入を検討してきた。
参入を計画していた太陽電池は、シリコンを使わない有機薄膜型と呼ばれるタイプで、軽くて薄いのを特徴としていた。コニカミノルタは事業化に向け、22年には、米太陽電池ベンチャーのコナルカ・テクノロジーズに約18億円を出資し、研究開発を本格化させてきたが、昨年6月にコナルカが破綻。提携関係が解消されたことを受け、独自に研究開発を進めてきた。