特に、PSPではミリオンセラー4作がすべてモンハンシリーズとなっており、22年のミリオンとなった「モンスターハンターポータブル3rd」以来、SCEでは国内ミリオンが出ていない。SCEにとって「客が呼べる一枚看板」を、任天堂にさらわれた形となり、今後の事業展開にも支障となりかねない。
世代交代ならず
PSPからの世代交代を図るため、SCEが23年12月に発売した携帯型ゲーム機、PSヴィータは販売が伸び悩んでいる。24年11月の4~9月期決算説明会では、PSPとPSヴィータを合わせた今年度の販売台数予想を、8月に続き再度下方修正し、1千万台に引き下げた。ハードが当初予想から600万台の下ぶれでありながら、ソフトの販売見通しは前年度なみに据え置くなど、SCEの判断には疑問符もつく。
こうした中で、有力ソフトメーカーの“撤退”は、他のソフトハウスに波及する恐れもある。マリオやポケモンなど、優良コンテンツを身内に抱える任天堂と違い、外部のソフトメーカー頼みのSCEにとって、25年は正念場となりそうだ。