JFEホールディングス(HD)とIHIが傘下の造船事業子会社を来年1月1日に統合する。中国・韓国メーカーとの競争激化で受注が激減し、船価下落と円高で造船事業の収益が悪化する中、子会社の合併で効率化を加速する。
統合後の新会社は3年間で100億円のコストを削減する一方、高性能な液化天然ガス(LNG)船に参入し拡販を進めることで5年後の売上高を今年度比4割増の5000億円に引き上げ、世界競争での勝ち残りを目指す。
合併するのは、JFE傘下で建造量国内2位のユニバーサル造船と、IHI子会社で同7位のアイ・エイチ・アイマリンユナイテッド。新会社の社名は「ジャパン マリン ユナイテッド」(JMU)。
当初は10月に合併する計画だったが、中国での独占禁止法の審査に時間がかかり、予定より3カ月遅れの“船出”となる。両社合算の売上高は約3900億円で、建造量は346万トン。いずれも国内2位に浮上する。ただ、合併後も両社の世界建造量シェアは8位グループにとどまり、建造量が1000万トンを超す現代重工業や大宇、サムスンの韓国勢などには遠く及ばない。