石油情報センターが25日発表した12月の灯油の配達価格(10日現在の全国平均、1缶=18リットル入り)は前月より32円値上がりして1771円となった。
昨年12月と比べても58円高い。本格的な冬を迎え、暖房用の灯油需要は堅調に伸びており、石油元売り各社は今月、灯油の在庫減少分に対応するため輸入を始めた。一方、原油の調達価格は高値で推移しており、灯油の最終価格には先高感が強まっている。
石油連盟によると、国内の灯油在庫量は254万キロリットル(15日現在)となり、昨年12月末の272万キロをすでに下回った。節電の影響などを見越して、石油元売り各社は秋口に灯油の在庫を積み増し10月末は昨年並みの335万キロリットルを確保していた。
しかし、11月から全国的に冷え込み、暖房用灯油の出荷が増加、在庫は減少した。このためJX日鉱日石エネルギーは今月から日本海側の5カ所の油槽所で輸入を開始。出光興産も韓国から灯油の国内輸送を行った。