三菱重工業は6日、事故を起こした東京電力福島第1原発の作業用に、遠隔操作可能なロボット「MHI-マイスター」を開発したと発表した。腕の代わりとなる2本のアームの先端にドリルやモノをつかめる爪を付け、コンクリートのくり抜きや切断、モノの採取などの各種作業に対応できるという。
ロボットは高さ1.3メートル、重さ440キロ。人の腕に似た7つの関節を採用してアームの可動領域を高めたことで、ドアやバルブの開け閉めもできる。時速は2キロ。無線通信の場合、連続2時間動かせる。重さ15キロまでのモノを持てる。
三菱重工は、1999年に茨城県東海村で起きた核燃料加工施設の臨界事故を受け、原発向けロボットの開発に着手。今回のロボットは、福島第1原発用に放射線対策や遠隔操作性を高めるといった改良を施した。
福島第1原発向けには東芝も階段の昇降が可能な四足歩行型のロボットを開発しており、廃炉作業に向けて国内原発メーカーが対応を強化している。