トヨタ自動車とパナソニックは日本を代表する製造業であり、電池事業をはじめ、さまざまな形で友好的な関係を築いてきた。業種は違うが、モノづくりに対する真摯(しんし)な姿勢はきわめて似ている。
その両社の業績は今、明暗がくっきりと分かれている。米国でのリコール(回収・無償修理)問題や東日本大震災、タイの大洪水…。ここ数年、難題が相次いだトヨタだが、実は過去10年間で最終赤字に陥ったのは、リーマン・ショックでつまずいた2009年3月期の1度しかない。
一方、パナソニックは10年間のうち4度も最終赤字があり、前期は7721億円の巨額赤字を計上。今期も7650億円の最終赤字見通しで、今期を含む直近5年間の赤字総額は2兆円以上におよぶ。
業種の違いは当然、業績に大いに関係している。家電はデジタル技術でコモディティ(汎用)化が進んだため、値崩れが激しく、メーカーの収益を悪化させてきた。