パナソニック「スマートメーター」事業参入 米企業と提携、東電入札に参加

2012.11.17 08:00

 パナソニックが米企業と提携し、電力の使用量を瞬時に把握できる次世代電力計「スマートメーター」事業に参入することが16日、分かった。東京電力が来年に実施する入札に参加する。当初は年間約200億円の売上高を目指す。不振の薄型テレビなどデジタル家電への過度な依存から脱却し、成長が期待できる環境・エネルギー分野に注力して収益の改善を目指す。

 スマートメーター事業を130カ国で展開し、世界で約2割のシェアを持つ米大手アイトロン(ワシントン州)と、来週にも業務提携で合意する見込みだ。消費電力などのデータを電力会社に送信するパナソニックの通信機器と、アイトロンが手がける計測装置を組み合わせ、パナソニックのブランドで販売する。将来的には国内だけでなく、アジアを中心とした海外展開も視野に入れる。

 スマートメーターは双方向の通信機能を備えた次世代型の電力計。電力の消費状況を細かく把握でき、家庭や企業での節電効果が期待できる。東電は2014年度から10年間で一般家庭やオフィス、工場など約2700万件の全契約者にスマートメーターを導入する計画だ。

 調達先は一般競争入札で選ぶ方針で、新規参入の可能性が広がった。パナソニックの参入により、スマートメーターの価格や性能をめぐる開発競争も一段と加速しそうだ。

 パナソニックは、デジタル家電の販売不振などが響き、13年3月期の連結業績予想を下方修正、2期連続で7000億円を上回る巨額の最終赤字に陥る見通しで、業績改善に向け、環境・エネルギー分野などで新規事業の立ち上げを急いでいる。